遺産を取得したときは贈与を受けたとき同様に税金が課税されます。基礎控除額までなら非課税ですが、土地や家を相続すると基礎控除額に収まらない可能性も高くなりますので要注意です。
ではいったいどれくらいの税金がかかるでしょうか。不動産相続にかかる相続税の大きさや節税対策のこと、相続税以外の税金についても当記事で言及します。
相続税の金額は、相続等により得た遺産の価額に対応して大きくなります。
計算の流れをごく簡単に説明すると次のようにまとめられます。
相続税課税の大きな分かれ目となるのが②の基礎控除の適用です。3,000万円に法定相続人1人あたり600万円を加算した金額を控除することができますので、その金額を遺産の総額が上回らなければ相続税の課税はありません。
ただ、不動産は価額も比較的大きいため、利用価値の高い土地などが含まれていると基礎控除額を超える可能性が高くなってきます。
なお、税率については「法定相続分による按分後の金額」に応じて変動します。按分後が1,000万円であれば税率10%、2,000万円であれば15%、5,000万円であれば20%、・・・といったように税負担が増していきます。もし6億円を超えていると、最大の税率である55%が適用されますので、相続した財産の半分以上を税として納めないといけないことになります。
不動産相続における相続税の計算で最初にしないといけないのが「相続税評価額を調べること」です。
現金のようにわかりやすくはありませんので、所定の方法により評価額を計算しないといけません。
もし相続したのが土地(宅地)であれば、まずは国税庁HPから「路線価」を調べ、それを基に計算を進めていきます。ほかに把握しておくべき情報は「地積」、そして土地の利便性の高さ等を考慮した「奥行価格補正率」です。
※路線価:道路に接する土地1㎡あたりの価額のこと。
これらの情報があれば次のように計算ができます。
「宅地の相続税評価額 = 路線価×地積×奥行価格補正率」
もし路線価が定められていない土地であれば、固定資産税評価額を用い、一定の倍率を乗じて相続税評価額を算出します。
※多くの場合、倍率は1.1。
「宅地の相続税評価額 = 固定資産税評価額×倍率」
なお、相続したのが自用家屋(建物)であれば、固定資産税評価額をそのまま相続税評価額とすることが可能ですので特別な計算は必要ありません。
不動産相続における相続税の負担を少しでも軽くするなら、「生前贈与」や「賃貸物件としての利用」、そして「小規模宅地等の特例の適用」について考えましょう。
生前贈与は相続開始前にする贈与のことです。
先に所有権を移転させておくことで相続税の課税を避けることができ、遺産分割の方法などで相続人らが困惑することもなくなります。ただし贈与税の負担を回避しないと節税効果はありませんので、不動産に関する特例が使えるかどうかを確認しておかないといけません。
次に賃貸物件として利用についてですが、これは相続税評価額を下げることにつながります。
賃貸に出すということは所有者自身で使える割合が小さくなるということを意味しますので、その分評価額も下がります。そのため相続税の負担も多少下げることができるのです。さらに賃貸収入が得られますのでその分を納税資金として蓄えることも可能です。
小規模宅地等の特例も相続税評価額を下げるための制度です。
ある土地を宅地として使っているなどその他複数の要件を満たさないといけませんが、要件をクリアすれば最大で80%もの評価減ができるため不動産相続の場面では必ずチェックしておきたい特定といえるでしょう。
不動産に関して発生する税金は相続税だけではありません。所有者名義を変えるのに「登録免許税」を納める必要がありますし、場合によっては取得に対して「不動産取得税」が課税されることもあります。
また、その後所有し続けることに対して「固定資産税」も発生してきます。
不動産の相続でかかる税金 | 詳細 |
|---|---|
登録免許税 | ・登記、その他登録・免許・許認可などの手続きに際して課される税金。 ・「評価額×税率」で計算する。 ・評価額は固定資産課税台帳に登録されている価格を用いる。 ・税率は通常2%であるが、相続による取得であれば0.4%が適用される。 |
不動産取得税 | ・不動産を取得したこと自体に対して課される税金。 ・取得理由が相続なら原則として非課税。 ・ただし法定相続人以外の者が遺言書の記載に従い不動産を取得したときは課税される。 ※割合で指定する「包括遺贈」であれば相続人同等の権限を持つことになり課税されない。 |
固定資産税 | ・不動産などの固定資産の所有に対して課される税金。 ・不動産の評価額に、原則1.4%の税率を乗じて納付すべき税額を算出する。 ・ただし居住のために使っている住宅であるなど、一定の場合には軽減措置が適用される。 |
相続税を含め、課税の有無や税額を正しく把握したいときは税理士にお任せください。税制は複雑で、専門知識が不十分なまま対応すると判断ミス・計算ミスが起こり、ペナルティを課される危険性もあります。